[ボトックス注射とは?]人気の理由や効果などの気になる基礎知識を詳しく解説

[ボトックス注射とは?]人気の理由や効果などの気になる基礎知識を詳しく解説

「ボトックス注射」という言葉をご存知ですか?「聞いたことはあるけど、詳しくはわからない」「どういう効果があるの?」と思われる方も多いと思います。

ボトックス注射は、顔の大きさや頬のエラが気になる方、眉間や目尻のしわが気になる方などによく選ばれている施術です。今回は、ボトックス注射がどのようなもので、どんなメリットやデメリットがあるのかといった点をかいつまんでご紹介していきます。

ボトックス注射はボツリヌス菌の毒素の有効活用

ボトックス注射とは、A型ボツリヌス毒素を精製して作った薬液を注射するという施術です。「ボトックス」という言葉自体はアラガン社の商品名なのですが、今ではボツリヌス製剤を指す一般的な名称として使用されるようになりました。

ボツリヌス菌が作り出す複合体たんぱく質の毒素は、抗原性の違いによってA~Gの7種類にわけられており、その中の一種が治療に使用されています。

ボツリヌス菌は本来、食中毒を引き起こす恐ろしい細菌です。その毒素を含む食品を摂取すると、激しい下痢や吐き気に襲われ、めまいや頭痛、視力の低下を経て自律神経障害を起こし、全身がマヒして死に至ることもあります。

しかし、1981年にAlan B. Scottという研究者 により、A型ボツリヌス毒素製剤には筋弛緩作用(筋肉の緊張を緩める力)があることが発見れました。研究が進められた結果、極めて微量の注射であれば、筋肉の余分な緊張を解きほぐすことができることがわかり、医療の場に用いられるようになったのです。

ボトックス注射は筋肉の余分な緊張を解きほぐす

ボトックス注射には、局所的な筋肉の緊張を解きほぐす効果があることがわかっています。日本では1996年に眼瞼痙攣(がんけんけいれん:まぶたがけいれんしてしまう症状)、2000年に片側顔面麻痺、2001年に痙性斜視の適応として厚生労働省から承認を受けました。美容の分野では2009年、眉間の表情しわの適応として厚生労働省の承認を受けました。

現在では美容皮膚科や美容整形外科などの自由診療メニューとして額や眉間、鼻の付け根、目尻などにできるしわに対し、表情筋を緩める目的で使用されています。

「エラの張りや口元の形が気になる」「笑うと歯ぐきが見える『ガミースマイル』を何とかしたい」「首に縦じわができる」といったお悩みは、表情筋の過度な緊張による可能性があり、ボトックス注射で筋肉の緊張をほぐすことで解消できるのです。

また、筋肉質で痩せにくいふくらはぎや二の腕などにボトックス注射をし、筋肉を緩めて筋肉を小さくすることで、痩身効果を狙うという施術もあります。

さらに多汗症やワキガの治療に用いられることもあります。脇の筋肉の動きを止め、汗腺を収縮させることで発汗を抑えることができます。脇の臭いは汗に含まれる成分が雑菌と結びつくことで発生するため、汗の量が減れば臭いも減ると考えられています。

このようにボトックス注射は、使用する部位によってさまざまな効果が期待できます。

ボトックス注射のメリット

ボツリヌス製剤が医療の分野で用いられるようになり、40年近くが経ちました。その中で安全面については研究が重ねられ、アメリカのアラガン社製「ボトックスビスタ」はアメリカ食品医薬品局(FDA)、韓国のメディトックス社製「ニューロノックス」は韓国食品医薬品安全庁(KFDA)の認可を得ています。国内でも厚生労働省の認可を得ています。

美容形成外科では手術や入院が必要な施術もありますが、ボトックス注射は手術を必要としません。施術はごく短時間で完了し、基本的に麻酔も不要です。注射針によるごく小さな傷ができるだけなので、周囲の人にボトックス注射を受けたと気づかれる可能性はほとんどありません。

個人差はありますが、注射後2~3日程度で効果があらわれ、3~6カ月程度持続するといわれています。

顔に誤って注入すると表情が乏しくなる可能性も

ご紹介したようにさまざまな症状に対して用いられるボトックス注射ですが、決して万能な治療法ではありません。

例えばしわ改善の治療の場合、直接しわを取るわけではなく、筋肉の緊張を緩めて間接的にしわを減らしていくという方法なので、思ったような仕上がりにならない可能性もあります。注入量を間違えると、しわの原因となっている部分以外の表情筋の動きも止めてしまい、表情が乏しい状態になってしまうことがあります。

もともと毒素を応用している施術なので、経験や知識が十分でない医師が手掛けると、口元に違和感を覚えたり、飲み物をうまく飲み込めなくなったりということもあるので注意が必要です。一度ボトックスを注射すると、上記のような症状があらわれても体内で成分が分解されるまで待つしかありません。通常は3~6カ月程度で作用が消えるといわれていますが、それまで我慢することになります。

このような事態を避けるためには、顔の神経回路や表情筋の動き、バランスなどを熟知している経験豊富な医師を選ぶことが重要になります。

個人差はあるものの、ボトックス注射の痛みは基本的に麻酔なしでも我慢できる程度といわれています。ただし痛みに弱く心配な方は、シートタイプや塗布タイプの局所麻酔を使用することもできます。

処置自体にかかる時間は、1部位あたりほんの10分程度です。施術直後を避ければ、当日または翌日からお化粧をしても構いません。注入部位をマッサージすると成分が体内で拡散しやすくなってしまうので、施術後はしばらくその部位を強く触らないようにしてください。

注射針の跡が残ることがありますが、わからない程度のものです。アレルギーを引き起こす可能性はほとんどなく、アレルギーテスト自体が基本的に不要といわれています。

顔に施術をした後は頭痛や表情の変化、眼瞼下垂(がんけんかすい:まぶたが下がってしまう症状)、かゆみやちょっとした痛みを伴う炎症反応や内出血が起きることがありますが、基本的には一過性のもので、1~2週間程度で気にならなくなります。 ただしごくまれに血腫や感染、過敏症などの深刻な副作用を引き起こす可能性もあります。気になることがあれば、施術を受けたクリニックに相談してみましょう。

費用は施術範囲によって変わってくる

ボトックス注射の費用はクリニックによって異なります。1カ所あたりいくらという価格設定のクリニックもあれば、「額」「眉間」「エラ」「口角」「脇」など、部位ごとに価格を設定しているクリニックもあります。

基本的には1カ所あたり3~7万円程度で施術をしているクリニックが多く、広範囲への注入や、エラ縮小やワキガ改善など複数回の注入が必要な施術では、総額20万円以上かかるケースも珍しくありません。

また、上記の相場より極端に安いクリニックは、国内未承認の製剤を用いたり、治療経験が不十分な医師が施術を担当していたりする可能性があるので事前にしっかり調べましょう。

一口にボトックスといっても製剤の種類はさまざま。中でも安全性や信頼性の高いのがアラガン社製のものです。「ボツリヌストキシン」という表記のクリニックでは他社製の製剤が使われている可能性があります。施術を決断する前に確認してみましょう。

妊娠、授乳中の施術はNG

ボトックス注射は、妊娠中や授乳中の施術の安全性が確認されていません。その期間を避けて施術を受けることをおすすめします。

カウンセリングで自分に合った施術を

ボトックス注射は筋肉の緊張をほぐし、しわを目立たなくしたりその他の効果を狙ったりする施術なので、筋肉に力が入っていない状態でもできるしわには効果がなく、そ の人の状態によって適用するべきかどうかが変わってきます。

ダウンタイムや痛みが少ないだけでなく、注入する部位によってさまざまな効果を発揮することなども人気のボトックス注入ですが、手軽に行えるからといってむやみに施術を受けるのはおすすめできません。確かな経験と知識を持った医師にしっかりと相談し、今の自分にはどんな施術が必要なのかを見極めてもらう必要があります。まずはしっかりとカウンセリングをしてくれるクリニックを探しましょう。

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